今季限りでスーパーラグビー(SR)から除外となった日本チームのサンウルブズが8日、東京・秩父宮ラグビー場でメモリアルセレモニー(ファン感謝イベント)を開催した。

昨年のワールドカップ(W杯)日本大会代表のリーチ・マイケル主将(東芝)や田中史朗(キヤノン)稲垣啓太(パナソニック)をはじめ、今季SRデビューした斎藤直人、中野将伍(ともにサントリー)ら18選手が参加。ステークホルダーやファウンダーズクラブ会員を観客席に招き、トークショーなどが行われた。

サンウルブズとして最後の活動。初代キャプテンの堀江翔太(パナソニック)は思い出のゲームに16年ジャガーズ戦の勝利を挙げ「サンウルブズがあったから19年のW杯につながったと思っている。皆さんのサポートのおかげで毎年毎年、勝利の数が増えていった(通算9勝1分け58敗)。いい経験ができました。終わっちゃうんですよね…。残れるといいなと思いますけど」と感慨深そうに振り返った。

17年に共同主将として率いた立川理道(クボタ)は「SRで戦うことが夢だった。いい経験をさせてもらった」。18年の主将ヴィリー・ブリッツ(NTTコミュニケーションズ)は「家族のような、まとまりを持っていたチーム。17年思い出に残っていたのはホームで勝利したブルズ戦」。19年に共同主将を務めたクレイグ・ミラー(パナソニック)「18年に香港で戦ったストーマーズ戦が思い出深い」と回想した。

リーチ・マイケルは「今は毎日、家にいて家族といて、練習もしています。普段は合宿が多いので、新型コロン場の影響で家にいて家族は喜んでます」と近況を語りつつ「思い出に残っているのは18年の最終レッズ戦。退場者が出て落ち込んでいる時、いい影響をチームに与えようと思って、ボールを持って後ろから思い切り突っ込んだ。(しかし、タックルを浴びてはね返され)悪い影響を与えてしまって申し訳ない」と笑わせた。

今年引退した大野均さんも姿を見せ「スタジアムに入ると走りたくなりますよね。記憶に残っているのは16年の開幕ライオンズ戦。心配もあった中、2万人近いお客さんが入ってくれてうれしかった」。田中も「家族のような素晴らしいチームでした。18年ストーマーズ戦で初めての連勝が思い出深い」と話した。ほかに浅原拓真、坂手淳史、三上正貴らも参加した。

稲垣は「SR全く見てないです」と笑わずに笑わせながら「今は自分のトレーニングに集中している感じです。結構、仕上がってきてますね。やせたね、と言われるんですけど、体重は落ちてない。いい感じなんですけどねえ。今は116キロです」と語った。

決定としては、いったん幕を閉じるサンウルブズのSR参戦。運営会社ジャパンエスアールの渡瀬裕司代表理事CEOは「2016年から厳しいチャレンジをし続けてきた5年間。今季は初めて開幕戦で勝利するという幸先のいいスタートを切れたのですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で残念な終わり方となってしまった。本日が最後の活動となりますが、もう1回、サンウルブズで世界にチャレンジしたいな、と願いながら…5年間、本当にありがとうございました」とあいさつした。

日本ラグビー協会の森重隆会長も「次の23年W杯フランス大会に向けてもサンウルブズを活用していくのか、今後議論したい」とビデオメッセージを寄せた。【木下淳】