世界35位の錦織圭(30=日清食品)が、2戦連続の5セット試合で力尽きた。同74位のトラバリア(イタリア)に4-6、6-2、6-7、6-4、2-6で敗れ、4大大会の5セット試合の連勝は9で止まった。しかし、「今までの中で一番いい試合」と、復帰以降、最も手応えを感じていた。大会第5日で、女子の日比野菜緒(25)は2回戦で敗れた。

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現役選手で5セットの最高勝率を誇る錦織でも、復帰4大会目で2戦連続5セットはさすがにきつかった。「調子が悪い中、勝たないといけない。自分との闘いだったりする」と、これまでと同様に、復帰後に元に戻す難しさを痛感している。

「まだまだ自分のいいときには、全く達していない」と前置きした上で、「今までの中で一番、いい試合」と手応えをつかんでいる。「ボールを打つ感覚がまだまだ」というが、その中でも、この日は「ある程度ラケットを振り切れた」と前進だ。

疲れからか、試合中に右肩のマッサージを受けた。「痛みが出始めた。若干、心配」。サーブは大改造中だ。赤土で試合時間が長くなると、慣れていない打ち方で負荷のかかり方も以前と違う。それでも「いつもと同じぐらい、悔しいのは悔しい」と、勝利への貪欲さは消えていない。