11月28日、F1バーレーンGPのサポートレースとして行なわれたFIA F2のバーレーンラウンド・レース1で、角田裕毅(カーリン)が最後尾22番グリッドから怒濤の追い上げで6位入賞を果たした。来季のF1昇格に必要なランキング5位以内を争うライバルよりも多くポイントを獲得し、予選のスピンというミスを帳消しにした。

スタートで19位まで上げた角田はその後も冷静に走り1台ずつ抜いていく。周囲を見て硬い方のハードタイヤを選んでスタートし、誰よりも長く19周目まで引っ張ってタイヤ交換義務を果たす。その時点で16位まで後退したものの、周囲が10周以上走ったハードタイヤを履く中でフレッシュなミディアムタイヤを履く勢いを生かし、鮮やかなオーバーテイクを連発。

最後は6位まで順位を上げてフィニッシュし8ポイントを稼ぎ、入賞者の中で最速のタイムを記録したため2ポイントも加算で手にした。これにより選手権3位の角田は後続勢にポイント差を詰めさせず、ランキング3位を維持。首位ミック・シューマッハ(プレマ)はこのレースで4位に入り46点差、ランキング2位のカラム・アイロット(ユニ・ビルトゥオーシ)は2位に入り34点差となったが、ランキング5位までは12点差に広げた。

「攻めるところは攻め、プッシュしないで良いところはプッシュせずにタイヤを守り、メリハリを付けた走りができたかなと思います。追い抜きも1発で仕留めたいので前走車との間隔を測りながら追い抜きポイントに合わせていった。予選後は落ち込みましたが、マシンに速さがあるのは分かっていたのでスムーズに気持ちを切り替えられましたが、(レース2のリバースポールとなる)8位以内という目標は簡単ではないと思っていたし、ここまで上手くいくとは思いませんでした。何が起きるか分かりませんし、明日のレースも気を引き締めて臨みます」

ランキング5位以内に入れば角田はF1昇格に必要なスーパーライセンス取得要件が整い、アルファタウリ・ホンダから来季のF1デビューが確実視されている。(米家峰起通信員)