流通経大柏(千葉)は、2回戦に続いて関西勢を撃破した。ラストワンプレーでNO8のディアンズ・ワーナー(3年)がインゴールに飛び込み、常翔学園を21-17で下した。前回大会に続きベスト8入りを果たした。

劇的なトライを挙げて仲間から祝福を受ける201センチの長身NO8は、勝利が決まるとようやく肩の荷が下りた。「『俺が行く』と言っていたので。トライしてみんなが集まってきてた時はうれしかったです」と声を弾ませた。

後半5分、危険なタックルでシンビンをもらって一時退場に。14人になり常翔学園に攻め込まれるシーンが多くなった。グラウンド外で歯がゆくなりながら戦況を見つめていたといい「(一時退場中は)時間が遅く感じた。また入るときに俺がやらないと、負けたら自分のせいだと思っちゃうなと考えて、何ができるかと考えていました」。気持ちは冷静に、頭だけを動かし続けた。

14-17で迎えた後半終了間際、ディアンズが密集で鋭いタックル。ドシンと骨がきしむ音が周囲に響くほど強烈なものを浴びせた。ベンチで観ていた相亮太監督も「あのタックルが流れを変えた」と言うように、逆襲に転じるきっかけとなった。その後フェーズを重ねて、最後はディアンズににボールを託し、インゴールに飛び込んだ。

9月に36歳で急逝したOBで元日本代表湯原祐希さんを追悼する喪章を付けて戦う流通経大柏フィフティーン。最高成績は98回大会のベスト4。悲願の初優勝へ一歩近づいた。

【平山連】