全国大学ラグビー選手権決勝(11日、東京・国立競技場)の早大-天理大戦は観客を入れて開催される。日本協会の岩渕健輔専務理事(45)が8日、オンラインで会見し、正式に表明した。

前日7日に緊急事態宣言が首都圏の1都3県に再発令。昨春のようにイベントの開催自粛までは求められなかったものの、観客数は最大5000人かつ収容率50%以下に制限された。

ただし、既に販売済みのチケットには適用されないとの政府見解を日本協会側は確認。先行抽選で売った約1万7000枚はそのまま入場可能となった。一方で状況に鑑み、払い戻しには応じる。

全国高校サッカー選手権の準決勝、決勝(ともに埼玉スタジアム)は同じようにチケットを売り出していたが、無観客に。他競技との違いを問われた岩渕氏は「観客の人数制限は当然、考えた」とした上で「日本サッカー協会に決定の背景や見解もうかがいつつ、政府や都の関係者、メディカル部会と協議して約1万7000人のままと決めた。トイレやコンコースでの滞留を防いだり、動線を完全に分けたりする感染症対策に加え、午後8時以降、速やかに帰路に就いていただく呼びかけもする」と説明した。

場内の飲食に関しては「最終調整中。アルコール販売は当然しない。あとは持ち込み等を、どこまで管理できるか。物販については決定したら、すぐに案内したい」と周知を約束した。

会見中、開催への葛藤と実施への決意を交互に繰り返した岩渕氏。選手にも意見を聞いて決断した。あとは成功に向けて突き進むしかない。「日本代表が昨秋のワールドカップ(W杯)でワンチームとなったように、みんなで乗り越えていきたい。反対意見があることも承知しているが、ステークホルダーも含めた関係各所、観客の皆さんのご支援、ご理解、ご尽力をいただきながら開催したい」と学生の夢舞台実現へ、強い意欲を示した。【木下淳】