世界初のプロダンスリーグ「Dリーグ」が10日、今夏の東京オリンピック(五輪)会場の東京・有明アリーナで開幕した。24年パリ五輪で初採用されるブレイクダンスのプロチーム「コーセーエイトロックス」など9チームが参加。国内プロリーグの本格始動は、競技の普及や3年後の五輪でのメダル獲得に向けた選手強化にもつながりそうだ。

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バレーボールの東京五輪会場が一転、きらびやかなネオンと爆音でライブシーンに様変わりした。新型コロナウイルスの影響で無観客開催となったが、各チーム8人のダンサーが表情豊かに多彩なパフォーマンスに挑戦。「和」を取り入れたり、近未来をテーマにするなど、工夫を凝らした演技はライブ配信され、心待ちにしていたファンを喜ばせた。

ブレイクダンスのプロチーム「コーセーエイトロックス」は、競技の魅力を凝縮した構成に仕上げた。体をダイナミックに動かし、ヘッドスピンも披露した。パフォーマンスを終えた監督兼ダンサーのイッセイ(23)は「楽しかったぁー」と絶叫。「ブレイキンのスキルをふんだんに使ったショーケースができた」と満足していた。

審査員4人の合計得点と視聴者の得点を合わせて100点満点で計算し、この日の開幕戦は「セガサミールクス」が78点で1位に輝いた。

初シーズンは9チームが参加し、半年間にわたって熱いバトルを繰り広げる。各ラウンドに出演するのは1チーム8人で、年間12ラウンドのレギュラーシーズンを戦う。ラウンドごとに順位が出て、各チームに勝ち点が分配される。上位4チームがトーナメント方式のチャンピオンシップに進出し、年間チャンピオンの座を争う。【平山連】

◆Dリーグ 世界初のダンスプロリーグ。初年度はエイベックスやサイバーエージェントがチームオーナーとなり、9チームが参加。全12ラウンドのレギュラーシーズンで争われ、上位4チームによるチャンピオンシップを経て6月末に初代シーズンチャンピオンが決定する。

◆ブレイクダンス 起源は70年代のニューヨーク・サウスブロンクス地区。抗争が絶えなかったストリートギャングたちが停戦調停と前後して、クラブパーティーのような空間で音楽を掛けて踊ったのが始まりとされる。踊り手はその頭文字を取って「ビーボーイ」や「ビーガール」と呼ばれ、DJ、MC、グラフィティと並ぶヒップホップ文化の4大要素として広がり続けている。24年パリオリンピック(五輪)で初めて採用された。