昨春発足した北海道栄相撲部のモンゴル人留学生が11日、合流した。185センチ、80キロのバトジャルガル・イルムントルンガ、170センチ、61キロのエンフタイワン・エンフアムガラン(ともに16)の2人。北海道高体連相撲専門部によると、道内高校相撲部へのモンゴル人留学生加入は初となる。

2人は10日に入寮し、年明け初稽古となったこの日、初めてまわしを付け、土俵に立った。初日は約1時間、基本的な練習。腰を下げ前進するすり足に少し苦戦したバトジャルガルは「ちょっと難しかったが、楽しくできた」。本来は昨春から留学するはずだったがコロナ禍で9カ月遅れの合流。エンフタイワンは「少し時間がたってしまったが、日本で相撲が学べてうれしい」と笑顔で話した。

埼玉栄時代に元大関豪栄道(現武隈親方)らと国体3連覇を果たした高山和典監督(34)が、19年に自らモンゴルに渡り選抜した逸材だ。2人は本来昨春合流予定だったため、出場を決めている3月の全国高校選抜の団体戦に1年生として出場可能。ともに相撲未経験だが、中学までバスケットボールやサッカー経験があり、運動センスは十分だ。同監督はモンゴルで面談も行っており「体つきも人間性もしっかりしている」と心身両面で期待している。

尊敬する力士としてエンフタイワンは朝青龍、バトジャルガルは白鵬と、ともに母国の英雄の名を挙げた。2人は1カ月前から日本語を勉強し、バトジャルガルはカタカタ、エンフタイワンはひらがなが読め、簡単な英語や日本語の発音も覚えてきた。部員が3人から5人に増え、東亮佑(1年)は「仲間が増えてうれしい。ジェスチャーもまじえながら積極的にコミュニケーションを取っていきたい」。ニューパワーを加え、チームとしてさらに、レベルアップを図っていく。【永野高輔】