バレーボール男子代表の石川祐希(25)が所属するミラノが、「CEVチャレンジカップ」初優勝を果たした。トルコの強豪ジラートのホームで行われた決勝第2戦をフルセットの末に破った。先発出場を果たした石川は13得点を挙げる活躍で勝利に貢献。自身もプロ初となるタイトルを獲得し、競技生活において大きな1ページを刻んだ。

セットカウント2-2で迎えた最終セットを14-8と大量リードし、最後は石川のスパイクが決まりゲームセット。自身の手で優勝をたぐり寄せた。「『優勝』というタイトルは久しぶりだった」と勝利の余韻に浸った。

出だしの流れが悪くても、「最後は本当に気持ちの勝負」。チーム一丸となって勝利に向けて目の前の1点に全力で取り組み、敵地で優勝を決めた。「今までやってきた成果や成長が、このタイトルで証明できた」。イタリア挑戦を続ける男子代表のエースが待ち望んだ結果を出し、大きな手応えをつかんだ。

中大在学中からイタリアでプレー。卒業後はプロの道を選び3季目。今季から上位進出を狙うミラノに移籍し、延期となった東京オリンピック(五輪)、その先にある世界のトッププレーヤーになるとの目標に近づくため進化を続けた。新型コロナウイルスの影響などで試合の延期や練習の中断を余儀なくされたこともあったシーズンだったが、攻守で貢献してチームに欠かせない存在だった。

国内リーグのプレーオフは準々決勝で敗退し、28日(日本時間29日)からの5位決定戦に臨む。悔しさはあるが、それでも石川は前を向く。「もっと強くなる、成長するといった意味も込めて、この勝利を自分で受け入れたいと思います」と話していた。