ラグビー界の「兄貴」が喝!! 5度目の頂点を狙うパナソニック(ホワイトカンファレンス1位=白組)が、トヨタ自動車(レッドカンファレンス2位=紅組)に勝利し、決勝進出を決めた。

開始30秒、今季限りで現役引退するWTB福岡堅樹(28)が先制トライを挙げた。幸先の良いスタートを切ったかと思いきや、その後は「ふわっ」とした気持ちになり隙が出て規律が乱れた。反則を連発し、ラインアウトでもミスが続いた。前半16分までに3トライを許し、5-15となった。

名将ロビー・ディーンズ監督は、同21分に経験豊富なフッカー堀江翔太(35)を投入。これまで後半に勢いを与える「インパクトプレーヤー」としての起用が多かったが、この日は早々に登場した。35歳のベテランは、動きの悪い選手たちに気合を注入。自身で体を張りながら助言し、チームを徐々に修正した。堀江は「余裕を持つことと安心するのは違う。余裕は持っていいが、必死にならないとどの相手にも勝てない」と、勝負師としての心構えを伝えた。

後半は強みである防御からの連続攻撃で得点を重ね、27点差で快勝。5度目の優勝に王手をかけた。主将を務めたフランカーの布巻峻介(28)は「堀江さんに活を入れてもらってからスイッチが入った」。福岡は「堀江さんはプレーでも見せてくれるし、ダイレクトに言ってくれる。愛がある」と、ラグビー界の兄貴に感謝していた。