19年全国中学校大会優勝の住吉りをん(17=東京・駒場学園高)が、東京五輪から得た刺激を力に変えた。

ルッツ-トーループの連続3回転などジャンプに大きなミスなく、59・92点で首位発進。演技後は笑顔を見せて「練習では、もっといいのができていました。100%ではなかったけれど、とりあえずはこの時期としては、満足できる演技ができたと思います」と振り返った。

7月22日には東京五輪の聖火ランナーとして、都内を走った。過去には全日本ノービス選手権優勝、ジュニアでも国際大会を経験する世代トップクラスの1人だが、近年は故障に悩まされた。「五輪は夢ではありつつも遠い舞台でした。(聖火ランナーとして)一部に参加しただけだけれど、身近に感じられて、私も出たい気持ちが強くなりました」。それはオフシーズンの大きな出来事となった。

競技で最も印象に残ったのは、体操男子個人総合で金メダルを獲得した橋本大輝(20=順大)の演技だった。「プレッシャーが懸かる舞台で、自分のベストな力を出し切っていました。私は本番に弱いと思っている。メンタルの強さ、そこに持っていく自信が、すごいなと思いました」。今季の飛躍へ、シーズン序盤から、自信を深める演技を続けていく。【松本航】