04年アテネ五輪柔道男子100キロ超級覇者の鈴木桂治氏(41)が、次世代のスーパースターを育成する。

23日、さいたま市の大型複合スポーツクラブ「ジェクサー大宮」で行われた柔道アカデミーに参加。国士舘大の後輩の武井俊介氏(38)とともに、4歳から小学生を対象に柔道を通じて「将来の可能性と小さな目標設定」の大切さを伝えた。

会場は柔道場ではなく、異例のスポーツジムの体育館。フロアに畳を敷いた“特設道場”で、子供たちに柔道の礼節や受け身だけでなく、チューブを使って他競技でも重要な左右の動きや柔軟体操などを指導した。鈴木氏は自身が監修するアカデミーの意義について「柔道の中身を継承しつつ、ここで学んだことが次のステージにつながればいい。『柔道の強さ』は求めていないし、目の前の小さな目標を達成して、今後のヒントや自身の強みを発見してほしい」と力説。10年以上前から「保育園で柔道を教えたい」との夢を持ち、心技体を鍛錬する柔道を経験することで、将来的には野球やサッカー、卓球代表などを輩出することが次の夢という。

鈴木氏はこの日は、柔道経験者のみの柔道教室では見られないような笑顔で子供たちと一緒に約4時間体を動かした。後ろ受け身を指導する際には、「バナナの皮に滑って転倒したら後ろ受け身!」「これができたらかっこいい」と連呼。男児から「手が痛いよ」と突っ込まれると、「ご飯を食べるまでに治るから大丈夫」と言って、納得させていた。