19年世界選手権3位のビンセント・ジョウ(20=米国)が、自国に3枠目の22年北京オリンピック(五輪)出場権をもたらした。ショートプログラム(SP)を97・35点で首位発進し、迎えたフリーで186・88点をマーク。合計284・23点で頂点に立ち、米国の最大3枠確保に貢献した。同国は、今年3月の世界選手権で既に2枠を獲得していた。

この大会は、世界で残り7枠となっていた北京五輪の出場権を争う最終予選。ジョウはフリーの冒頭から4回転ルッツ、4回転サルコーを美しく決めて勢いに乗った。中盤の4回転トーループと4回転サルコーは完璧とはいかなかったものの、2本のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)など執念で着氷。最後の枠取りを大会初制覇で飾った。

米国勢は、今年の世界選手権でネーサン・チェンが3連覇、ジェーソン・ブラウンが7位で北京五輪出場枠2を手に入れた。一方のジョウはSP25位でフリーに進めず、3枠目が与えられる順位に届かなかったため、今大会に獲得の目標を持ち越していた。

日本は既に最大3枠を確保しており、今回の出場者はいなかった。新たに北京切符を勝ち取った国は以下の通り。

1枠目 米国(ジョウ、284・23点=今大会の出場者と合計スコア)

2枠目 フランス(シャオ・イム・ファ、243・78点)

3枠目 ロシア(コンドラチュク、241・06点)

4枠目 韓国(イ・シヒョン、229・14点)

5枠目 アゼルバイジャン(リトヴィンチェフ、228・65点)

6枠目 オーストラリア(ケリー、218・95点)

7枠目 カナダ(サドフスキー、207・62点)

※この種目で韓国を上回る4位だったイタリアは、既に世界選手権で出場枠を「最大2」確保していたため枠取りは対象外だった。