東京五輪個人メドレー2冠の大橋悠依(25=イトマン東進)が、チームの嫌なムードを吹き飛ばす力泳を見せた。

4チーム中2位までが準決勝(11月、オランダ)に進出するタイブレーク。第1日の前半で「東京フロッグキングス」(北島康介GM)は、苦戦した。エース瀬戸が200メートル個人メドレーで最後で逆転されて2位となった。不穏な空気が流れる中で、4チーム中3番手で迎えた女子200メートル個人メドレー。満を持して、大橋が登場した。

大橋はトップのウッド(英国)をぴたりとマーク。0秒50差の2位で最後の自由形に入った。第10戦では同タイムの1位でウッドとポイントを分け合ったが、この日はラスト25メートルでウッドをとらえて、鮮やかに逆転。2分4秒86で1位。しかも下位に大差をつけるボーナスポイントも含めて12点も獲得。この時点でチームは2位に浮上した。

「泳ぎの感覚はすごくよかった。最後は差し切れた。(ラストは)呼吸をとめていったし、勝ったなと思ってタッチしたので余裕もあったかなと思う」。

大橋の力泳で、チームは勢いを取り戻した。

続く50メートル平泳ぎでは小関也朱篤が自身の日本記録を3年ぶりに0秒01更新する26秒01で1位。男子400メートルメドレーリレーでは、第3泳者のバタフライ川本武史が爆発的な泳ぎを見せてチームの勝利に貢献。かえる軍団は苦手なリレー種目で初の1位を獲得した。

第1日を終えて、かえる軍団は214・5点で4チーム中3位。準決勝圏内の2位に、12ポイント差と食らいつく形になった。

ISLは世界各地の10チームが参戦。タイブレークは、レギュラーシーズンの下位4チームが参加している。30日のタイブレーク最終日に向けて、北島GMは「選手たちは厳しい状況の中で、ベストラップを刻んでくれている。この試合がいかに大事か、わかってくれている。(明日)2位に入ることが、チームが一番求めていること。それに向けて準備したい」とした。