3校によるリーグ戦で争われた団体戦で、飛龍が14年連続29度目の県制覇を成し遂げた。1勝同士で迎えた焼津水産戦で、1-1から大将の桑原哲平(2年)が勝負を決めた。個人80キロ級では、焼津水産の東暖斗(はると、2年)が優勝。団体戦、個人80キロ、100キロ級の優勝者と個人総合の上位3人が、来年3月に高知・春野総合運動公園相撲場で開催予定の全国選抜に出場する。

最後は“エース”が頼もしかった。勝てば、飛龍の14連覇達成となる焼津水産戦。1-1で迎えた大将戦で桑原が決めた。「自分の力を出せば大丈夫だと思った」。177センチの懐に潜り込もうとした161センチの焼津水産・東を、タイミング良くはたき込んだ。「反射的に引いてしまったことは課題」と反省したが、「全国大会が決まってホッとしている」と、安心した様子だった。

2学年上の先輩の活躍が刺激になっている。OBで大相撲幕下の熱海富士(19=伊勢ケ浜、熱海市出身)が、各段優勝を飾るなど活躍。高校卒業後、各界入りを目指す桑原は「一緒に稽古にも励んだ先輩。ライバルだし、負けられない」と、背中を追う。

今月10日には、コロナ禍で延期となっていた「第105回金沢大会」に出場した。現3年生も出場する中、個人無差別級で4強に入った。「自信になった」。新人戦直前、全国レベルの選手を相手に得た手応えも原動力となった。

団体戦優勝メンバーの4人は、個人戦の全国選抜切符も獲得。桑原は昨年、個人、団体ともに3位に終わった。「心技体で足りない物があるから、3位に終わった。もっと努力していきたい」と大舞台を見据えた。【前田和哉】