セーリングの470級全日本選手権が、19日から神奈川・相模湾で行われる。同級は東京オリンピック(五輪)で期待されながら、男女ともにメダルを逃した。24年パリ五輪での雪辱を目指し、新たなスタートを切る大会だ。

2人乗りの同級は、パリから男女が1人ずつ乗船する混合種目となる。もともとセーリングは、男女の区別がない競技なので、関係者も「それほど大きな変化は感じない。どのようなペアになるかはおもしろい」と、違和感は少ないようだ。

同級の2人の選手は大まかに、コースなどを決め操作の指示を出すスキッパー、艇のバランスや帆の操作などを扱うクルーに、役割が分かれる。体格はスキッパーが小柄で、クルーが大柄が基本のため、混合では女子がスキッパー、男子がクルーになると単純に考えるが、そうでもないのがおもしろい。

国際オリンピック委員会(IOC)は、ジェンダーレスを進める。男子しかなかった競技には、必ず女子も種目として加える。ただ、大会肥大の批判をかわすために、選手数の減少も加速させている。相反する課題は、今回のセーリングのように、混合といった形式で解決されるわけだ。

卓球は、08年北京五輪で個人戦の男女各ダブルスがなくなり、男女各団体戦が追加された。今回の東京五輪で追加された種目は混合ダブルス。通常のダブルスは団体戦に残っているが、個人戦ではない。卓球という競技の根本を考えると、少しいびつな形と見えないだろうか。

男女の種目を均等に採用することが、真の公平と言えるのか。ジェンダーレスとは、数合わせのようなものとは違うだろう。ただ、あらかじめ女性の割合を定める「クオータ制」のように、強制的に進めないと、差別撤廃の意識が根付かないという説明も理解できる。五輪が、この課題をどのように解決するのか見物だ。【吉松忠弘】