12月10日から12日にF1世界選手権の2021年シーズン最終戦アブダビGPが行われ、ドライバーズおよびコンストラクターズの両選手権が決まる。2015年から参戦し今季限りでF1から撤退するホンダにとってはこれが最後のレースとなる。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が369・5点の同点で並んでおり、9勝対8勝の勝利数でフェルスタッペンがドライバーズ選手権の首位に立っている。

両者リタイアの場合はフェルスタッペンがチャンピオンになる計算だが、前戦サウジアラビアGPでは両者の接触劇があり、統括団体FIA(世界自動車連盟)からは事故の内容によってはポイント剥奪の可能性もあることが警告されている。

「レース週末を迎えるに当たってドライバーとしてはそういうことは考えないよ。国際競技規則にそういったことが書かれていることは知っているし、いまさらそんなことをリマインドしてもう必要はない。チームとともに全力を尽くすことと、もちろん勝つことだけを考えている」(フェルスタッペン)

対するハミルトンも「僕はそういうことにエネルギーを使うつもりはない。良いレースをすることだけに集中している」と冷静さを見せているものの、サウジアラビアGPの裁定にフェルスタッペンは「僕としては間違ったことはしていないと思っている」と納得していない。

コンストラクターズ選手権は28点差でメルセデスAMGがリードしており逆転は難しい状況だが、それでも逆転タイトルを諦めていないとホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは語った。

「コンストラクターズ選手権の方はちょっと大きく差を開けられていて挽回してタイトルをとるのはかなり難しいとは思いますが、まだ可能性はあるということで最後の最後にきちんとパフォーマンスを最大限に発揮して4台がゴールを切るまでそのチャレンジを全力で戦っていきたいと思います」

第2期、第3期F1活動に加わり、2018年からテクニカルディレクターに就任してきた田辺ディレクターにとっても、最後のF1レースになる。

「さすがに最終戦になってこれで最後の1戦だとなると、いろいろと思うところはあります。我々のメンバーは当然、最終戦ということで気合が入っています。ただ、だからといって浮き足だったところはありませんし、私からは『最後まできっちりと仕事をして、チームと一丸となって全力を尽くしましょう』という話をしました」

(米家峰起通信員)