フィギュアスケート・アイスダンスの村元哉中(かな、28)、高橋大輔(35)組(関大KFSC)が27日、来季以降のカップル継続に含みを持たせた。

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目標の北京五輪代表落選から一夜明けて「メダリスト・オン・アイス」(さいたまスーパーアリーナ)に出演。高橋は来季以降について未定とした上で「もし続けるなら1年1年」と語った。まずは4大陸選手権(22年1月、タリン)の表彰台、世界選手権(3月、モンペリエ)での10位以内(23年大会の2枠獲得)を目指す。

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白の衣装でそろえた「かなだい」は、滑りで観客の視線をくぎ付けにした。悔しさを味わった五輪落選から一夜。エキシビションを終えた村元は前を向いた。

「結果は結果。素直に受け止めました。この悔しさをバネに4大陸ではメダル、世界選手権では2枠を持って帰ってきたいです」

前夜、20年のカップル結成から目指してきた五輪への道はついえた。全日本選手権はリズムダンス(RD)での転倒が響き、優勝した小松原組と1・86点差の2位。村元は「自分たちの演技が100%できなかったことへの悔しさが強い」と明かし、2人は年明けの大舞台へと切り替えた。その上で高橋は、現在の心境を隠すことなく明かした。

「4年後(26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪)は考えていません。もし続けるなら、1年1年になると思う。お互いが納得していない中で続ける必要はない。2人が同じ方向を向ける間はやっていけるんじゃないかなと思います」

昨季はコロナ禍に加え、夏場に高橋の肋骨(ろっこつ)にひびが入った。続けて村元も脳振とうとなり、想定通りの練習量をこなせなかった。迎えた今季。小松原組とほとんど互角に渡り合い、五輪代表選考は注目を集めた。競い合ったライバルへ、高橋は言った。

「これまでやってきた全てを北京で出してほしい。全力で応援したいと思います。世界選手権で2枠を持って帰ってこられたら(23年大会で)一緒に立てるかもしれない。僕たちも僕たちで、頑張っていきます」

同じ舞台を追い求めた2組は、それぞれが別の道で全力を尽くす。【松本航】