大会終盤の卓球全日本選手権をコロナが襲った。女子ダブルスの準決勝に出場予定だった平野美宇(21=日本生命)が、新型コロナウイルスの陽性判定を受けて棄権した。

大会本部によると前日夜に37・5度を超える発熱があった平野はこの日の朝まで熱が下がらず、自主的に抗原検査を受けて陽性判定を受けた。病院を受診して改めて検査を受ける予定。ペアを組む石川佳純(28=全農)もこの棄権を受け、今大会を終えた。

男子ダブルス準決勝でも同様に棄権者が出た。大島祐哉(27=木下グループ)が前日夜に37・5度を超える発熱があり同日、PCR検査を受けた。この日、陽性が判明してペアの田添健汰(木下グループ)とともに棄権となった。

27日までの棄権者は155人。関係者によるとコロナ禍前の全日本選手権ではほとんど棄権者はいなかったといい「昨年、今年の大会は特別だ。155人のほとんどが発熱者かコロナの陽性者ではないか」と述べた。

大会運営側にによると、出場選手には毎日の検査は行われていない。取材メディアなど関係者と同じく健康チェックをして、体調管理シートへ記入するよう求めている。一方、この日から有観客となったことを受けて来場者にはワクチン接種歴の提示か、接種してない人には陰性結果を提示すことが徹底されている。

日本卓球協会の常務理事でもある宮崎義仁強化本部長は「スポーツをはじめとするイベントも社会活動もコロナを恐れて全てを止めてしまったら、社会が停滞してしまう。スポーツもコロナと向き合いながら運営を続けていく時代に入っている」と述べた。【三須一紀】