日本フェンシング協会は26日未明、女子エペの日本代表チームが出場しているワールドカップ(W杯)ロシア大会について、団体戦への参加を辞退するとともに、大会の中止または延期を正式に申し入れたと発表した。

ロシア軍がウクライナに侵攻した中、黒海に面した都市ソチで25日から開かれている大会。日本勢は個人戦で3人が本戦に進み、その試合が終了した段階で、次戦の開催地であるハンガリーへの安全な移動の保障の確約が取れたことから、団体戦の参加を辞退する決断ができたという。

日本チームは、事態の発生前からソチに入って調整しており「現地および関係諸機関と協議しながら、選手およびスタッフの安全確保に当たっておりました」という状況だった。

現場は、予定より早くロシアを離れることを模索しながら大会参加を継続。安全の最優先や状況の注視と並行し「国際フェンシング連盟ならびに大会統括者に対しては、選手が次戦の開催地であるハンガリーに安全に移動ができることの保障」を申し入れ、返答を待っていた。

続けて「安全な移動の確約が取れない中、日本チームが大会ならびに国際連盟や大会統括者であるロシア連盟の傘下を離れ、単独で行動することのリスクは否定できず、その確約を最優先に行動したものとなります」と強調。情勢が極めて流動的で、うかつに行動できない環境にあった。

同協会は「引き続き選手・スタッフの安全を最優先に行動するとともに、スポーツを行うことができる平和な世界の実現を心から願っています」との声明も出した。【木下淳】