北京オリンピック(五輪)やパラリンピックは終わったが、カーリングロスに悩むスポーツファンを再び熱くする戦いが始まる。

カーリング女子の世界選手権が19日(日本時間20日)、カナダ・プリンスジョージで開幕し、日本代表として中部電力が出場する。

これまで日本選手権6度優勝。国内女子では北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレや、フォルティウス、富士急とともに「4強」の一角を担う強豪チームだ。

世界選手権は3度目の出場で、前回出場した19年は4位と奮闘した。当時はリザーブとしてチームを支えた清水絵美マネジャーは、「あのときからメンバーやポジションが変わり、個々が自立した。チームとしても一回り成長できたと感じます」と手応えを口にする。

北京五輪世界最終予選出場のためロコ・ソラーレ不在だった昨年12月の選考会では、元北海道銀行の主力メンバーで構成されるフォルティウスを3勝2敗で破り、代表切符をつかんだ。

混合ダブルス日本代表の一員として五輪予選に臨んだ松村千秋がチームを離れていた中で、北沢育恵をスキップとする新布陣で臨み、選手層の厚さや戦略面における引き出しの多彩さを示した。

その選考会でのチームの戦いぶりを、清水マネジャーは、「(最年長選手である)松村の不在時に個々の自立心が芽生え、今まで以上に集中して試合に取り組む姿勢が感じられた」と振り返る。

以前はサードを務めていた松村が今大会ではリザーブに回り、選考会同様に、チーム最年少20歳の鈴木みのりがセカンド、中嶋星奈がサードを務める。

石郷岡葉純は定位置のリードでチームに元気を与え、スキップを任された北沢が勝負を決める。

北京五輪で銀メダルと活躍したロコ・ソラーレからバトンを受け継いだ中部電力が、カーリング熱にあふれるカナダの地から、日本をさらに盛り上げる。【奥岡幹浩】

◆22年世界選手権 女子は日本を含めて計13チームが出場。全チーム総当たりの1次リーグ(L)を行い、上位6チームが決勝トーナメントに進む。1次Lの1、2位チームは無条件で準決勝に進出し、その前に同3位と同6位、同4位と同5位が対戦する。今大会の日本の出場権は、昨年11月のパシフィック・アジア選手権(カザフスタン)で北海道銀行が優勝したことで獲得。男子は4月に米国で開催されるが、日本は出場枠を獲得できなかった。