日本を代表する女子カーリングチームは、ロコ・ソラーレだけじゃない。

カーリングで女子の世界選手権が19日(日本時間20日)、カナダ・プリンスジョージで開幕し、日本代表として中部電力が出場。大舞台に臨む選手たちについて、本人のコメントや、チームの横山彰監督の評価を交えながら紹介する。

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混合ダブルス日本代表として昨年12月に世界最終予選を戦った松村千秋(29)は、今大会ではリザーブに回る。とはいえ「いつでも出場できるようにしておくことが大事。どのポジションでも出られるように準備してきた」と本人が口にし、スキップの北沢も「(松村は)いろんなポジションに入り、何試合か出る予定」と明かしたように、連戦が続く中で氷上に立つ可能性は高い。同じリザーブでも裏方の立場でチームを全面的にサポートしたロコ・ソラーレの石崎琴美とは、また異なる役割となりそうだ。

チーム屈指の練習量を誇る。横山監督によれば、若手のリード鈴木も練習熱心だが、最年長である松村の練習も目を見張るべきものがあるそうで、「チーム練習以外にも走り込んだり、休みの日もジムに通ったり」。質量ともに中身の濃い練習を重ねてきた。

サード中嶋同様に、横山監督とは職場での上司と部下だった時期がある。当時は利用者からの電話対応などの業務を行っていたそうで、「カーリング同様、仕事も非常に丁寧にやるタイプ。競技には一生懸命に取り組むし、仕事に対してもやるべきことをしっかり果たしていた」と、元上司は評価。そのうえで、「手前みそですが、あの姿勢は本当に素晴らしかった」と目を細める。

ロコ・ソラーレと比較されることが多くなることを承知のうえで、それでも自分たちの姿勢を貫き通すことが肝要と心得る。「笑顔でプレーするのはロコ・ソラーレさんが今まで築いてきたスタイル。私たちは氷の上と外での切り替えなど、そういった部分で1試合ごとにチャレンジしていきたい」と松村。その気持ちは、決してぶれない。【奥岡幹浩】

◆中部電力カーリング部 09年創部で、2年目の11年に初制覇するなど日本選手権を6度優勝。世界選手権には2度出場し、19年には4位と奮闘した。国内女子では北京オリンピック(五輪)銀メダルのロコ・ソラーレや、フォルティウス、富士急とともに「4強」の一角を担う。かつては、現ロコ・ソラーレの藤沢五月や、日刊スポーツの評論やテレビ解説でおなじみ市川美余さんも所属した。チームのモットーは「良きカーラーであると同時に良き社会人であること」。