テニスで、4大大会最古のウィンブルドンを主催するオール・イングランドクラブ(AELTC)は20日(日本時間21日)、今年の大会に、ロシアとベラルーシ選手の参加を認めないと発表した。ロシアはウクライナ侵攻、ベラルーシは、そのロシアに加担したことが理由だ。

AELTCは「ロシアの違法行為に対する世界的な非難を共有し、慎重に検討した結果、遺憾ながら、22年大会へのロシアおよびベラルーシの選手のエントリーをお断りする」と、大会が特定の国の選手を排除する前代未聞の決定を明かした。

同クラブのヒューイット会長は「これで影響を受けた選手個人にとって、つらい決断であることは認識している」と、ロシアとベラルーシ選手の心痛を理解するとした。ただ「ロシア政権の指導者が行ったことのために、彼らが苦しむことになることを悲しく思う」と、それはすべてロシアの政権が原因だという見解だ。

また、AELTCの発表と同日に、歩調を同じくして、英国テニス協会(LTA)も、2カ国選手の英国内の大会出場を拒否することを発表した。この決定で、2カ国の選手は、英国の大会に出場できなくなった。

このAELTCとLTAの発表に関して、世界ツアーを運営する男子プロテニス協会(ATP)と、女子テニス協会(WTA)は21日、反対の立場を表明した。男女のプロツアーや、国際テニス連盟(ITF)主催の下部ツアーは、2カ国の選手の国名、国旗の使用を禁止しているが、出場は認めている。

現在の世界ランキング・トップ100に、ロシアとベラルーシの選手は、男女ともに多い。男子では世界2位のメドベージェフ、8位のルブレフを含む5人。メドベージェフは21年全米覇者でもある。女子は男子より多く、4位のサバレンカを含む12人がいる。