B組の日本(世界ランキング38位)が台湾(同69位)に89-49で快勝した。代表デビューを果たした河村勇輝(21=B1横浜BC)が攻守で存在感を発揮。途中出場で第2クオーターからコートに立ち、約14分間のプレーでチーム最多の8アシスト、5スチールをマーク。代表初得点こそお預けになったが、存在感を示した。

日本は2勝4敗とし、8月からの2次予選に進む。開催国枠で23年8月のW杯本大会(沖縄ほか)の出場権を得ている。

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待望の代表デビューは、第2クオーター(Q)開始時にやってきた。河村はホーバス監督からの指名を受けてコートへ。「日本代表のポイントガードになることをこれまで目標に掲げてきた。コートに立った瞬間はうれしかったが、すぐ自分がやるべきことにフォーカスした」。胸にJAPANの文字が入ったユニホーム姿で、司令塔としての役目をまっとうした。

最初の見せ場は開始約2分後。鋭い読みで相手のパスをカットすると、そのままドリブルで持ち込み、タイミング良くラストパス。代表としてスチールとアシストを初マークした。その後もノールックパスや切れ味の鋭いドリブル、献身的な守備で貢献。172センチと小柄ながら、何度もリバウンドに絡みにいった。第2Qだけで4アシスト、4スチール。「チーム全員が走ったり、シュートを決めてくれたおかげのアシスト」と仲間に感謝した。

シュート数ゼロで、代表初得点はお預けになったものの、1試合8アシストをマーク。さらに5スチールは際立った数字だった。

福岡第一高時代はウインターカップ2連覇に貢献。直後には学校在籍のままBリーグでプレーできる制度を活用してB1三遠入り。当時の最年少得点記録などを塗り替えた。東海大進学後は同制度でB1横浜BCでもプレー。今春には大学を中退し、新シーズンからは完全なプロとなる。

プロ野球ロッテの佐々木朗希や、サッカー日本代表の久保建英、フィギュアスケート女子の本田真凜らと同じ学年にあたる21歳。男子バスケットボール界の期待の星は、代表デビューで輝きをさらに増していく。

◆河村勇輝(かわむら・ゆうき)2001年(平13)5月2日生まれ、山口県出身。福岡第一高時代にウインターカップ2連覇。直後の20年1月に特別指定選手としてBリーグ三遠に加わり、当時のB1最年少出場記録や最年少得点記録を更新した。尊敬する人物は「(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターの)イチローさん」。身長172センチ。

○…昨夏の東京五輪3人制日本代表の富永啓生(21=ネブラスカ大)も確かな存在感を示した。最大の武器である外角シュートに加え、ゴール下へと切れ込むドライブでも相手を翻弄(ほんろう)。2日前の試合に続いて再びチーム最多の17得点をマークした。「練習してきたとおりのバスケができた。チームメートが自分を生かしてくれたことが得点につながった」と感謝した。