153センチの背番号「3」がベールを脱ぐ。Wリーグのサマーキャンプが15日、群馬・高崎アリーナで開幕する。アランマーレ秋田・小浜菜摘(27)は左足に大ケガを負った影響で昨季の公式戦出場はなし。3年ぶりに開催される夏舞台で輝きを放ってみせる。チームは同日、社会人リーグの紀陽銀行と対戦。3日間で4チーム(アイシン、姫路、紀陽銀行、鶴屋百貨店)と試合を行う。

ユニホームを着てバスケットボールができる。小浜は「すごくワクワクしている。積極的にリングに向かってアタックしたい」と興奮を抑えられない。Wリーグでのプレーを夢見て昨年4月に加入したが、同年7月に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。昨季は公式戦不出場に終わるも、今春の新体制始動時から対人練習に参加。自身の状態を高めてきた。

チームから離れても1人ではなかった。手術後のリハビリは膝の曲げ伸ばしから始め、動きで痛みが出てくると「『こっちのメニューをやってみよう』と私に合わせたトレーニングを教えてくれた」という内田幸織(さおり)トレーナー(30)の支えがあった。試合に帯同できたのはホーム戦のみ。県外での試合は秋田に残ったが、それでも前を向くことができた。

小浜 同い年の小沢(彩佳)は彼女も膝をケガしたことがあるので、ケガをした時はすごく話を聞いてくれた。試合に行く時も「私と玉田(那奈)の分まで自分がやってくるから!」とか「ナツ(小浜)の分もしっかりやらなきゃ!」とか、LINEで言ってくれて。それは支えになりました。

チームとしてもサマーキャンプは初参戦。貴重な時間を無駄にしない。小嶋裕二三ヘッドコーチ(54)は「時間制限を少し設けないといけないが、普通にプレーしても問題ない状況まで回復している」と小浜の状態を説明。「徐々に経験させたい」とした上で「Wリーグで一番小さい選手なので、小さいなりに自分の小回りや隙間を破るという特性を生かしてほしい。アピールしてほしい」と期待を寄せた。

大会直前の12日、小浜は27歳の誕生日を迎えた。飛躍を期す今季の抱負を語った。

小浜 チームとしては2年目で、去年は「Challenge!」の年だった。私がWリーグに立つのは初めてのようなものなので、個人的にはチャレンジしていきたい。

大ケガから1年。無念を晴らすべく、プレーで存在感を示す。【相沢孔志】

○…Wリーグ・アイシンで5シーズンプレーし、6月上旬からチームに合流した北川愛理(24)は「一番は得点を取ることを意識する。チームで練習していることを徹底できるように、ミスを恐れずにやり切りたい」と目標を掲げた。アランマーレ秋田の一員として、大きな1歩を踏み出す。15日に24歳の誕生日を迎え、大会2日目の16日には古巣との一戦に臨む。「毎年、サマーキャンプの日が誕生日なので思い入れはある。秋田に来て自分がこれだけできているのをチームのみんなに見せたい」と気持ちを引き締めた。

小嶋裕二三ヘッドコーチ(54=サマーキャンプに向け)「(選手には)去年の経験をもう1回思い出して臨んでほしい。新たに我々がしなければいけないことは、走ること、コンタクトで負けないこと。シュートやシュートにつながるパス、得点力アップのためのフィニッシュの精度を上げることを頑張ってほしい」