東京オリンピック(五輪)・パラリンピック1周年記念セレモニー~TOKYO FORWARD~が23日、東京・国立競技場で開催された。

1年前のこの日、東京五輪の開会式が行われた会場でパレードや招待都民ら参加のゲームで交流。オープニングの入場行進には小池百合子都知事、元大会組織委員会の橋本聖子会長、スポーツ庁の室伏広治長官に、金メダリストの女子ボクシング入江聖奈や男子レスリングの乙黒拓斗が参加。車いすラグビーの池崎大輔やパラカヌーの瀬立モニカらも旗を振りながら進んだ。吹奏楽団の演奏は、あの日の選手入場と同じテレビゲーム「ドラゴンクエスト」のテーマ曲。1年前を思い出す雰囲気に包まれた。

冒頭、大会招致に尽力した安倍晋三元首相が凶弾に倒れたことに対する追悼VTRが流れ、黙とうした。

続いて小池都知事が開会宣言。「1周年をうれしく思う。世界中からアリガトウと感謝された。共生社会の実現や最先端テクノロジーなどレガシー(遺産)を継承したい。25年には世界陸上も国立競技場で行われることが決まった。スポーツを通じて一緒に新しい未来を」と呼びかけた。

先月末に解散した組織委の橋本会長は「1年前の素晴らしい大会の記憶がよみがえってくる。延期、コロナ禍、大変困難な中で医療従事者の皆さんをはじめ、前に進もうと大会を信じて準備してきた。多様性と調和の行き届いた未来あふれる日本へ、東京大会は転換点になった」と強調した。

室伏長官も「アスリートが障壁を乗り越えて躍動する姿に、人間の底力を感じて心が熱くなった。国民に夢や希望を与え、スポーツが持つ力を示してくれた。レガシーを進化させていきたい」とあいさつした。

その後は応援リーダーの吉田沙保里さん、丸山桂里奈さん、東日本大震災の被災3県から参加した子供たちによる混合リレーやアニバーサリーライブなどが行われ、昨夏の祭典の盛り上がりを思い出し、分かち合っていた。