世界ランキング2位の桃田賢斗(27=NTT東日本)が2回戦で敗退した。同18位のプラノイ(インド)に17-21、16-21のストレートで敗れた。

元世界王者は「1つ1つのショットに対してラケットを振り切れなかった。ミスを恐れて縮こまってしまったことが敗因」と肩を落とした。

多くのファンが詰めかけた“ホーム”の会場にため息が漏れた。過去7戦全勝と相性がよいはずの相手になかなかリズムをつかめない。序盤から相手にペースを握られ、第1ゲームを奪われた。第2ゲーム序盤は先行したがすぐに追い付かれ、再び後手に回った。

1回戦快勝後に桃田はプラノイ戦について、「ラリーも長くなり、我慢比べになる」と口にしていた。準備して臨んだはずだったが、苦しい展開を強いられ、跳ね返せなかった。

体調自体は問題ない。この日の状態についても「アップから体が動いていた」と振り返る。練習もしっかり積んできたが、「本番の緊張感の中で、練習通りにする難しさを感じた」。

19年シーズンはギネス記録の年間11勝を挙げたが、翌20年1月にマレーシアで交通事故に巻き込まれた。全身打撲、右眼窩(がんか)底骨折で手術もした。1年延期になった東京オリンピック(五輪)に向けて懸命に調整もまさかの1次リーグ敗退。その後の国際大会でも初戦敗退を重ねた。21年12月には3年以上、121週維持した世界ランキング1位からも陥落。本調子から遠い、苦しい状況が続いていた。

「うまくいっている時は、何をしてもうまくいった。うまくいかないときにどう打開するかが難しい」。トンネルの出口はなかなか見えてこない。

史上初の国内開催となった世界選手権で2大会ぶり3度目の頂点を目指して臨んだが、またしても早々に姿を消した。【奥岡幹浩】