北京オリンピック(五輪)ノルディックスキー・ジャンプ代表の佐藤幸椰(27=雪印メグミルク)が“新相棒”への対応に苦戦中だ。5日、北海道神宮でチームの必勝祈願に参加した。4日に約2週間の海外遠征から帰国したばかり。今季の身長測定方法の変更に伴い、使用できるスキー板が昨季から6センチ短くなった。「いざ飛んでみるとフィーリングが違った」。本格的なシーズン入りへ向けて急ピッチで合わせていく。

今季から身長を、レーザー機器を使ってあおむけの状態で測るようになった。佐藤幸の場合、昨季から身長が4センチ低い数字で登録となった。そのためルールに則し、スキー板も短くしなければならなくなった。まだGPクリンゲンタール大会(ドイツ)での飛躍しか試せていない。「明日から大倉山で調整したい」と本数を重ねてなじませるつもりだ。スーツのサイズについての新ルールで、体のサイズとの許容差の最低値が広がったことも「ごわつく」と気になる様子だ。

それでも言い訳はしない。自身初五輪の翌シーズン、目標は過去2年掲げた「『三度目の正直』でワールドカップ(W杯)個人総合トップ10入りを達成する」とブレない。W杯開幕戦(11月5日、ビスワ)まであと1カ月だ。【保坂果那】

■岡部監督「いい風が吹くように」

長野五輪団体金メダリストの雪印メグミルク岡部孝信監督(51)が、佐藤幸ら新しい道具への対応に苦戦する選手を心配した。現役時代に新ルールでスキー板の長さが短くなる経験をした。「変わったから違うことをやったのがダメだった。技術を大きく変えることはないと思う」とアドバイス。冬に向けて「この祈願でいい風が吹くように」と、チームの好結果を願っていた。