21年東京オリンピック(五輪)で19位の小田倉真(29=三井住友海上)が、自身9度目となる日本選手権で初優勝を飾った。
冷静な判断が勝利を呼び込んだ。1種目目のスイム1・5 kmは、先頭と18秒差でフィニッシュするも、13人が17分台を記録。大集団のまま迎えた40 kmバイクは、トップからおよそ1分半ほど離された。それでも慌てることはなかった。「トップと2分差(以内)なら、ランで巻き返すことができる」。
狙い通り、ランで先頭を捉えると、さらに加速。10 kmを30分51秒で走り切り、声援に包まれながら1位でゴールした。
五輪ディスタンスの51・5 kmを1時間48分24秒で駆け抜けた小田倉は、「これまでやってきたことを信じてやろうと思いました。自分のレース展開を徹底しようと心がけました」と笑顔で振り返った。一部のトップ選手が、イタリア・カリアリで開催される「ワールドトライアスロンシリーズ」(10月7・8日)に出場中であると前置きしながらも、「どんな形であれ、勝負に勝ったのは初めてに等しいくらいだったので、すごくうれしいです」と喜びをかみしめた。
昨夏の東京五輪後は引退もよぎったが、3カ月の休養をはさんで競技に復帰。2年ぶりにお台場で開催された同選手権で、初タイトルをつかんだ。「日本選手権はお台場じゃなきゃいけないなって感じました。走っていて、沿道からの声援があって。お台場ならでは、日本選手権ならではの会場で、すごく幸せでした」。その表情には、確かな充実感がにじんでいた。


