10歳の金沢純禾(すみか、木下アカデミー)が3回転ジャンプを5つ成功させて86.24点をマークし、ノービスB(6月30日時点で満9~10歳)で初優勝を飾った。

果敢に3回転ジャンプに挑んだ。冒頭で3回転ルッツを着氷させると、ダブルアクセル(2回転半)と3回転トーループの連続ジャンプをきっちりと決めた。後半には3回転サルコー-2回転半-2回転トーループの3連続ジャンプに成功。3回転ジャンプ5本を決めた。演技を終えると右拳を握り、充実した表情を浮かべた。

目標を「80点台」に定めていたが、それを上回る結果で制した。「自分でもびっくりしちゃって、こんなに出るんだと。安心とうれしさが混じっちゃいました」。

昨年の全日本ノービスBは4位。あと1歩で表彰台を逃し、「そこを超えていかないと来年は戦えないと思った。自分のベストスコアは必ず超えようと思いました」と力強く語った。

木下アカデミーの先輩にあたる島田麻央(13)が、19年のノービスB女子で記録した88.50点へ、2点差に迫る高得点をたたき出した。「ジャンプやスピンをお手本にしていた」としたが、「(島田を)超えることを目標にしていたので、届かなかったのは悔しいです」と唇をかんだ。

将来の目標はオリンピック(五輪)出場。「私が五輪に出られるとしたら、4回転ジャンプと3回転アクセルは必要になると思います。4回転ではルッツを跳びたいです。そこにコンビネーションジャンプもつけられたら」。期待の新星が、さらなる飛躍を見据えた。【藤塚大輔】