リーグ5位の東レがホーム最終戦を勝利で飾った。JT広島に3-1で快勝。

第1戦(1●3)でのリベンジを果たし、10日に亡くなったセッター藤井直伸さん(享年31)に白星を届けた。この日の勝利で3位パナソニック、4位堺と勝利数で並んで「ファイナル4」進出の行方は、来週の最終節(WD名古屋戦)に持ち越された。

東レが意地を見せた。チーム初の沼津開催で接戦を制し「ファイナル4」に望みをつなげた。篠田歩監督(43)は「勝ち切れてよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。試合前に選手たちに「プレッシャーは我々にしか感じることができないこと。幸せに感じよう」と言葉をかけて選手の奮起に期待した

地元のOH富田将馬(25=三島市出身)が指揮官の言葉どおりの活躍を見せた。19得点(アタック14・ブロック2・サーブ3)と躍動。「最高です。今日も負けたら藤井さんに怒られるから頑張りました」。この2日間、沼津市や三島市の友人や知人が多く応援に駆けつけた。「地元で支えてくれている方の前で活躍できたことがうれしい」と笑顔を見せた。指揮官からは「プレッシャーを力に変えている」と評価された。

ブロック決定本数リーグ1位で、この日も6本のブロックを決めたMB高橋健太郎(28)は「勝ってほっとした。この会場の雰囲気は本当に力になった」と満員となった沼津の観客に感謝した。さらに藤井さんには「いい報告ができる」と声を弾ませた。

この日の勝利でリーグ5位は変わらないが勝利数で3位パナソニック、4位堺と並んだ。残る2試合に懸ける指揮官は「東レのバレーらしく、魂を前面に出して戦って欲しい」と期待した。悲しみを力に変えて、「ファイナル4」の出場権をたぐり寄せるつもりだ。【山口昌久】