ラグビー「リーグワン」の花園近鉄ライナーズが、“黄金コンビ”で1部残留へ導く。
浦安(2部1位)との入れ替え戦・第1戦(7日、宮城・ユアスタ)に向け、5日は本拠地・花園で調整しメンバーを発表。
オーストラリア代表110キャップのSHゲニアと、同75キャップのSOクーパーがそろって先発することが決まった。
左アキレス腱(けん)断裂で長期離脱していたクーパーは4月22日のリーグ最終節・東葛戦で先発に名を連ねるも開始15秒で交代。リーグ戦に出場した選手しか入れ替え戦に登録できないための“奇策”で、今回の浦安戦が事実上の復帰戦となる。
この日、10番のユニホームを手渡されたクーパーは、冷静な口調で言葉を並べた。
「80分間全部(に出場する)かどうかは分からないが、調子はいい。そのまま(フルで)出ろと言われれば、出る準備はできている。我々にとって(入れ替え戦の)2試合余分に試合ができるということは、とてもいいことだ。レベルの高い練習が2週間もできる」
大黒柱の復帰は、チームに及ぼす影響が大きい。
主将のランカー野中翔平は「準備の段階から(クーパーから)細かく指示が出ている。なぜそこにアタック(攻撃)をするのか、ディテールを大事にしようという意識が生まれている」と語る。
クーパーは「試合は、たいしたことがない」とサラリと言う。その真意を、こう明かした。
「電気のスイッチを入れるように、試合の日だけスイッチを入れるのではない。日々、努力をする。私は(ケガをした日から)9カ月以上、準備をしてきました。自分のベストを毎日出し切ること。自分自身のスタンダードを見てもらえれば、仲間にもどれだけのスタンダードで日々やるべきか、それが伝わると思う。自分の姿を見て、学んで欲しいと思っている」
クーパー不在で臨んだリーグ戦は1勝15敗の最下位。まずは第1戦で勝利し、本拠地花園開催の第2戦(13日)へ。
ゲニアとともに世界を知る男が、愛するチームを1部に残留させるため、全力を尽くす。