女子は上村葵がスケートボード・ストリートの新設大会で初代王者に輝いた。

2本目のランで84・19点をマーク。大阪育ちの14歳は「ホンマ(現実)じゃないみたい!」と笑顔で喜んだ。

準決勝を2位通過し、10人による女子決勝に進出。60秒のランを3本実施し、その中でのベストスコアで競うルールのもと、1本目は51・29点でスタートした。

その時点で首位につけたのは、82・41点をマークした吉沢恋(ここ)。「ライバルでもあって、仲間でもある」という吉沢に、約30点差をつけられた。ただ、その間も2人はいつも通りに声をかけ合った。「頑張ろう。抜かし合おう」。前向きな言葉を交わした。

迎えた2本目。確実にトリックを決めた。最後は背後のセクション(道具)に飛び移り、障害物の上を滑っていくバックサイドスミスを選択。「一番得意なトリック」をメークすると、ヘルメットに手を当て、驚きを交えたガッツポーズを繰り出した。高難度の技を成功させた上村へ、出場選手からも拍手が送られた。

21年東京オリンピック(五輪)銅メダリストの中山楓奈や準決勝1位通過の赤間凛音(りず)らを退けての優勝。獲得賞金1万ドル(約140万円)の使い道を問われると「1位になったらお母さんと犬を飼うと約束していたけど、『そんな話はしてない』と言われた」と笑顔で返答。会場の笑いを誘った。

1年2カ月後に迫った来夏のパリ五輪出場も視界に入っている。ストリート、パークの2種目とも、代表枠は最大各3人。「3位までに入れるように頑張りたい」と明るい声で見据えた。