恩返しのシーズンにする。今季から主将を務めるPG青木保憲(28)は、1月、連敗中だったB1仙台89ERSにB1広島から加入。苦しい時期を過ごしていたが、青木が加入して3戦目の1月22日富山戦でチームは連敗を「9」でストップ。青木のゲームメークが光り、そこから3連勝を挙げるなど、チームに光明をもたらした。10月7日のリーグ開幕まであと15日。主将として臨む新シーズンが始まる。
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青木はチームが始動した際に、「1人1人がリーダーシップを持ってやってほしい」と要望した。1月に青木が加入した時は、チームは7連敗と、出口の見えないトンネルの中にいた。青木の目にはコート内外を問わず、選手に主体性が欠けていると映った。だが今季は、「昨季と比べて、みんなが集まっているときでも、誰かが『今日の練習はどうだった』と発言してくれる。チームとしても良い方向に向かっていると思います」。選手全員がキャプテンのように映り、周囲の姿勢に気づかされることも多い。「もちろん、苦しい時に1番元気よくやらなきゃいけないのは僕なんですけど、他の選手も気づいて行動してくれている。僕ももっとやれることがあるんじゃないかと思わせてくれる」。新主将にはチームという最高の後ろ盾がいる。
首脳陣からの信頼も厚い。藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=37)は、「ヤス(青木)は非常にすてきな人間。そのまま変わらずヤスのままでいてくれたら、良いキャプテンになると思います」と期待を寄せる。チームから信頼され、「半年しかいない中でキャプテンに任命していただいたのはすごく光栄なこと。必要としてくださるチームでプレーできるというのは当たり前ではないので、チームやファンの皆さんに恩を返していけたら」と決意を新たにした。
チームは18日に行われた東北カップで18年以来2度目の優勝を飾り、今日22日からは天皇杯2次ラウンド。初戦はバンビシャス奈良と対戦する。10月7、8日のリーグ戦開幕に向けて、チームの現状を把握する大事な時間を過ごしている。開幕まで残り15日。「大きなターゲットは開幕節のA東京戦で『勝つ』ということ。時間があるようでないので、1日1日を大切にして、A東京さんに勝てるビジョンをしっかりと持った上で戦っていきたい」。ロケットスタートを切ってみせる。【濱本神威】