ボクシングのアジアユース選手権(10月22~11月3日、カザフスタン)に出場するユース日本代表メンバーに、今季の全国高校選抜、全国高校総体(インターハイ)のウエルター級で優勝した川村萌斗(開志学園3年)が選出された。同校からは17年にミドル級近藤陸(24、自衛隊=引退)が選出されて以来2人目の出場になる。自身初の国際大会での経験を、将来の目標に据えるアマ日本一、そして世界での活躍の土台にする。

川村は「日本代表として世界で戦いたかった」と初の国際大会出場を喜ぶ。15日に日本連盟から派遣要項が届き、実感が湧いた。アジアユースでは67キロ級に出場する。国内のウエルター級リミット69キロよりも軽いが「いつも67、68キロで試合をしているので」と普段通りの準備で臨む。

大会直前には鹿児島国体(10月8~12日)がある。今季、全国選抜、インターハイと制覇して最後に残ったタイトル。今季3冠、そして自身の高校通算5度目の全国制覇がかかる。「国内で負けて日本代表として試合に出るわけにはいかない」と気を引き締める。

ウズベキスタン、カザフスタンといった中央アジアの選手に興味があり、これまでも動画を見て参考にしていた。「自分のワンツーがどこまで通用するか試すつもり」。軽快なフットワークから強打を繰り出すスタイル。国内の高校の試合は2分×3回だが、アジアユースは3分×3回になる。「スタミナを消耗しないように、すり足で前進してプレッシャーをかける」と対策を立てている。

仁多見史隆監督(48)は「アジアは速さと力強さを兼ね備えた選手が多い。勉強してほしい」と話す。来春は大学進学の予定。川村は「高校生のうちに国際大会を経験できるのは収穫」と言う。高卒後の目標は「全日本選手権で優勝」。そして「五輪出場は…、まず国内で優勝してから」と言葉を飲み込んだ。高校ラストの大舞台が将来のステップになる。【斎藤慎一郎】

◆川村萌斗(かわむら・もえと)2005年(平17)6月5日生まれ、村上市出身。ボクシングは5歳から村上ボクシングジムで始める。村上東中ではバスケットボール部に所属しながらボクシングに取り組む。中3で全日本UJ県大会優勝。22年は全国高校選抜、国体で優勝。178センチ。タイプは左のボクサーファイター。