今季、B1仙台89ERSにアジア特別枠として新加入したヤン・ジェミン(24)は、B1秋田との東北カップ決勝でチーム最多の13得点をマークし、優勝に貢献。堅守や泥臭く粘り強いプレーも随所に見られ、さっそく「仙台89ERSのバスケット」にフィットしたことを示した。U16からU19の韓国代表でプレーし、スペイン、アメリカと渡り歩いて4カ国目となる日本での4シーズン目。仙台をさらなる成長の舞台とする。
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情熱あふれるチームカルチャーの一員となった。仙台への加入時、クラブの公式HPを通じて「とても情熱あふれるチームカルチャーとファンの方々がいると感じました。そのチームに全力で貢献したいと思います」とコメントしていたヤン。東北カップでは、昨季の仙台遠征時に味わったブースターの情熱を、味方として肌で感じた。「ファンの方々が試合中だけではなく、試合前にハドルを組んで『ナイナーズ!』と叫んでくれている。本当にエナジーをもらえます」。
決勝ではタフショットを決めて雄たけびをあげるアツい一面も。「ものすごいビッグプレーではないかもしれないけど、しっかりとタフなシュートを決めきることで、チームにエナジーを与えられる。積極的にやり続けていきたい」。大黄援で後押ししてくれるブースターの情熱に応えてみせた。
天皇杯2次ラウンドでは、仙台の得点力の要であるラショーン・トーマス(29)が、コンディション不良で出場しない中、チームは2試合ともに80点以上をマーク。ヤンはB2奈良戦では9得点、B1三河戦では12得点とコンスタントに得点を重ねた。「このチームに加わってから、毎日のようにラショーン・トーマス選手とマッチアップして、ネイサン・ブース選手(29)とマッチアップして、ヴォーディミル・ゲルン選手(29)とマッチアップして…。毎日素晴らしい選手たちと練習している中で、いろんな事を学んでいます」。新たな環境にも順応し、多くを吸収できている。「まだまだ自分は若い選手。しっかりと自分のやるべきこと、細かい小さなプレーもしっかりやり切る」。まだ24歳。飽くなき向上心で仙台の新たな武器となる。【濱本神威】