リーグ1位のコベルコ神戸スティーラーズが、リーグワンが創設された21-22年以降で初の日本一に輝いた。同3位の東京ベイに22-13で逆転勝利。神戸製鋼を前身とする強豪が、トップリーグを含めて7季ぶり3度目の頂点に立った。SO李承信(25)が計17得点でけん引。今後は母国ニュージーランド代表の監督に就任するデイブ・レニー・ヘッドコーチ(62)の花道を有終の美で飾った。

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伝統の赤色のジャージーをまとった屈強な男たちが、肩を震わせた。リーグワン初制覇を遂げた神戸のメンバーは、涙ながらに抱擁。チームトップの17得点を挙げたSO李は「このチームに入って初めて泣いた」と目を赤くした。

今季をもって退任するレニーHCも「選手がプライドを見せてくれた。選手、会社、街にとって、素晴らしい1日になった」と誇った。

懸命に守り抜いた。一時は10点差をつけられながら後半3分に16-13と逆転。同12分にはリードを6点に広げた。その後は何度も攻め込まれたが、勝負どころで崩れなかった。

同15分には自陣トライライン際まで運ばれたが、プロップ高尾時流が今季自身初のスティール(ジャッカル)に成功。「こういう点差になるのは分かっていた。細かいところの差が出た」。苦しい場面で細部にこだわり、後半は無失点。今季リーグ戦で最多の750得点を記録していたチームは、決勝でシーズン最少タイの22得点にとどまったが、微差の積み重ねが勝利につながった。

細部に目を向ける姿勢を植え付けたのが、23年に就任したレニーHCだった。倒れ込んでから起き上がるまでの時間も数値に表し、基準に達していない選手には「NO」と容赦なく指摘。試合後には各選手に対して自身の収穫と課題をアプリに入力するように求め、その分析をもとに1対1でミーティングする機会も設けた。繰り返したのは「才能のいらない努力をしよう」との言葉。1人1人の力を最大限高めることに徹した。

個の力の向上とともに、チームの結束も高めていった。オフシーズンにはみんなでバーベキューをしたり、各選手の出身国の郷土料理を振る舞い合ったり。チームでのミーティング前には、各選手の出身国の歌を歌う時間もあった。レニーHCが「今日は○○の国を歌おう」と声をかけ、サモアやフィジーの曲を口ずさむ。それぞれの文化や歩みを学ぶ時間になった。

高尾は「ラグビー外のコネクションも大事にした。今のチームの文化を作るのに3年がかかった。それが優勝につながった」と言う。就任前年の22-23年は9位に低迷していたが、3年がかりで日本一をつかむまでに変貌(へんぼう)した。

指揮官は優勝を花道に退き、今後はオールブラックスの代表監督に就任。チームの体制も変わるが、これからも細部を突き詰める姿勢を受け継いでいく。李は「優勝という歴史を作れた。神戸のDNAは変わらない」と言い切った。西の強豪は、これからも強くあり続ける。【藤塚大輔】