世界ランキング5位の日本が会場設備のアクシデントに巻き込まれながらも、同28位のフィンランドを3-2で下した。
セットカウント2-0の第3セット。14-16と日本が2点を追う場面で、会場につるされたワイヤが切れる事態が発生した。テレビ中継用に設置されたワイヤカメラ4本のうち1本が寸断。異例の約14分間の中断となった。日本はそこから2連続でセットを落とし、最終第5セットでも10-12と追い込まれたが、そこから5連続得点。土壇場で粘りをみせて競り勝った。
アウトサイドヒッター(OH)石川祐希(27)は試合が中断したことについて「あまり関係ない」と強調。「今日に関してはいろいろトラブルがあった。それによってどうこうっていうことはないですが、どんな状況にも対応しなければいけない」と引き締めた。
チーム最多23得点のOH高橋藍(22)は「自分たちの中では、どちらかというと良い方向に向くかな、っていうところがあった」と前向きに見立てていたことを明かした。ただ、結果的にはこの試合中断で流れを引き寄せられず。「(第3セットの)最後も自分たちが先にマッチポイントを取れたんですけど、そこを取り切れなかったところは反省するべき点」と冷静に受け止めた。
セッター関田誠大(29)も主導権を取り戻せなかったことを反省。「向こうもいいバレーをして、プレッシャーをかけられたので、そこで僕たちが受けてしまった」と受け身に入ったことを課題に挙げた。
今大会は8カ国総当たりの形式。9日間で7試合が組み込まれており、来夏のパリ五輪出場権が与えられるのは上位2カ国のみとなっている。初戦から厳しい戦いとなった中、高橋藍は「簡単に勝てる試合はないと分かった。これはすごく大きなこと」と前を向いた。思わぬアクシデントも含め、苦しんだ初戦をこれからの糧とする。