早大が100回目の「早慶戦」を制した。
36年ぶりの国立開催で慶大を43-19と圧倒。定期戦通算成績を73勝20敗7分けとした。後半早々にU20(20歳以下)日本代表へ“飛び級”で選出されたWTB矢崎由高(1年=桐蔭学園)がトライ。世代屈指のBKが国立デビューで節目の勝利に貢献した。
対抗戦優勝の可能性はないが、チーム6トライで5勝1敗。来月3日の明大戦(国立)に弾みをつけた。敗れた慶大は3勝3敗の5位となった。
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国立の上空は晴れやかだった。
101年前の1922年(大11)に産声を上げ、戦争で中止となった43~45年を経て、迎えた第100回早慶戦。かつて早大でマネジャーを務めていた中村元一氏が中央気象台(現気象庁)で最も雨の少ない特異日を調べ、数度の例外を除き、開催日はここまで11月23日に固定されてきた。
80分間を終えたピッチで、早大FB伊藤大祐主将(4年=桐蔭学園)は「100回の意味をかみしめることに価値があると感じた」と、通算73勝目を喜んだ。
節目の一戦。エンジと黒のジャージーに身を包み、新たな才能が躍動した。
28-14で迎えた後半3分。自陣から伊藤が速攻を仕掛け、体重107キロのフッカー佐藤健次(3年=桐蔭学園)が約30メートルを独走した。相手と1対1を作り「誰かサポート…」と願った先輩を追っていたのが、1年生WTB矢崎だった。
加速して左サイドでパスを受けると、そのままインゴール左隅に飛び込んだ。慶大伝統のタックルに対し、早大の自慢はスピードあふれる攻撃。その締めを、未来の日本代表候補が務め上げた。矢崎は「フィニッシャーの役割を果たせた。初めての国立。2万7000人のお客さんも、これまでの試合で一番多い。OBやファンに『頑張って!』と言われました」と初々しく笑った。
80分間で反則は4つ。前半20分までに3トライを挙げて主導権を握り、後半ロスタイムには、矢崎を起点にNO8松沼寛治(1年=東海大大阪仰星)がトライを奪った。
対抗戦優勝こそ消滅しているが、4季ぶりの大学日本一へ道は続く。就任3季目でOBの大田尾竜彦監督(41)は「持っているものを洗練させていく。研ぎ澄ます」と誓った。
次の舞台は伝統の早明戦。ワセダの魅力を突き詰める。【松本航】


