女子でパリ五輪シングルス代表2枠目を争う伊藤美誠(23=スターツ)が7位に食い込み、逆転での選考レース2番手浮上へ望みを残した。

7位決定戦で横井咲桜(ミキハウス)に4-3で勝利。前日25日の直接対決で敗れた平野美宇(木下グループ)が5位決定戦を落として6位となり、選考ポイント差の拡大を10点にとどめた。平野とは34・5点差で、優勝すれば120点の全日本選手権(24年1月、東京)が最終決戦となる。女子は張本美和(木下アカデミー)、男子は戸上隼輔(明大)が頂点に立った。

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伊藤が左拳を縦に振った。1月の全日本選手権6回戦で金星を許した、横井との7位決定戦。前日は1勝2敗で上位進出を逃し、五輪代表を争う平野との“みうみま”対決にも敗れた。「寝落ちでした。へとへとな状態で寝て、朝もどんよりとしていました」。一夜明けても気分は晴れず、最終ゲームも6-0から4連続失点。それでもタイムアウトで一呼吸おいて振り切り「しっかり押し返すことができた」とほほえんだ。

大きな1勝だった。同じ時間帯に5位決定戦に臨んでいた平野が、大藤沙月(ミキハウス)に3-4で敗戦。伊藤が敗れ、平野が勝つ状況となれば、選考ポイント差が30点ついていた。「『どうやったら平野選手を追い越せるか』というのは考えているけれど、ポイントを意識している人の方が負けていることが多い」。まずは肩の力を抜き、34・5点差の状況を作った。

最終決戦は来年1月の全日本選手権。だが、伊藤にはさらに欲を高める場がある。来月15~17日には名古屋で世界ランク上位選手が争うカップファイナルの女子大会が開かれる。伊藤は出場権を持ち、平野は不在。対戦時に世界ランクが上位3人以内の中国勢に勝利すれば、1勝15点の選考ポイントが入る。常に世界を意識する伊藤は「その選手とやりたい。勝つことで成長につながるし、いろいろついてくる」。追われる立場の平野は全日本選手権に照準を定め「全日本で全てが決まる。自分は挑戦者の気持ちで戦いたい」と言い切った。1番手独走の早田ひな(日本生命)を含め、同い年3人による上位争い。全ての経験を注ぎ込み、最終盤を戦う。【松本航】