【北京=藤塚大輔】世界選手権2連覇中の坂本花織(23=シスメックス)が77・35点の今季世界最高点で首位発進し、初優勝へ大きく前進した。

冒頭のダブルアクセル(2回転半)を大きな跳躍で決めると、3回転ルッツ、後半のフリップ-トーループの連続3回転も成功。「ステップの最初のバレージャンプでバランス崩してから、フラフラ、フラフラしてて。最後のスピンもちょっとミスしちゃったんで、ちょっと惜しかったなって感じなんですけど。でも今日はすごいベストなジャンプができたかなと」。少しの悔しさと納得が混じった。

これまでファイナルは18年4位、22年5位と表彰台入りを果たせていない。「去年は全然仕上がっていなくて、だけど『優勝候補』って言われて『どうしよう…そんなレベルに達してないし』っていうのがすごかった」と振り返る。

今季は違う。GPシリーズは第2戦スケートカナダ、第5戦フィンランド大会で連続優勝。ファイナルまで3連勝を意味する「イチ、イチ、イチ(1位、1位、1位)」を公言し、王手をかける。「今季は頑張ればいけるかな、ってところまで気持ちも上がっているので、気持ちは去年と違います」。例年に比べて師走の仕上がりとしては過去イチに近い。“不安要素ゼロ”の舞台だった。

昨年大会(トリノ)はSP1位からフリー6位、最終順位も5位に終わった。「過去2回はやっぱり両方フリーで失敗してるので。それをそろそろ抜け出したいと思ってる。もうあとは明日しっかりやるだけかなって思うので」。同じ轍(てつ)は踏まない。フリーは9日に行われる。取材の最後、「『イチ、イチ、イチ』が見えてきた」と声をかけられ、「もうちょっと、もうちょっと!(笑い)」と勢いのある声を響かせた。