宇都宮ブレックスが延長戦に持ち込み、逆転勝ちを収めた。

劇的勝利の裏側には、ケビン・ブラスウェル・アソシエイトコーチと、渡邉裕規の「熱き心」があった。左大腿(だいたい)直筋肉離れで離脱したギャビン・エドワーズに続き、鵤誠司が体調不良のために欠場。今季のスタメンを2人欠くピンチに、副キャプテンの渡邉は選手を集めようとしたという。

「秋田戦(6日)で残念な試合をしてしまったこともあり、選手を集めてオレがしゃべろうと思っていたら、ケビンがボディーランゲージで熱くミーティングをやってくれた」

人懐っこい笑顔がトレードマークのブラスウェル・コーチのゲキは確実に効いた。第3クオーター(Q)残り4分35秒の時点で、51-63と最大12点差つけられた。それでも誰ひとり、あきらめない。徐々に差をつめ、第4Q3分13秒、D.J・ニュービルの3Pシュートでとうとう逆転。アシストした渡邉はニュービルに顔をこすりつけ、喜びを爆発させた。

延長戦でも勝利を決定づける3Pシュートを決めたニュービルは「遠藤やナベ(渡邉)もビッグショットを決めた。チーム全体でつかみとった勝利」と話した。鵤欠場を受けて、今季初めてスタメン出場した遠藤祐亮は、3Pシュート3本を決めるなど14得点。比江島慎がファウルアウトになったこともあり、今季最長の26分11秒プレーした渡邉も、3Pシュート3本を含めて11得点と活躍した。

忘れてならないのは、ベテラン竹内公輔だ。エドワーズ離脱を受けて、4試合連続してスタメン出場。川崎の大黒柱、ニック・ファジーカスとマッチアップして攻守に走り回った。

プレータイムはチーム最長の38分23秒。来月39歳になる日本人ビッグマンは「明日、試合がないといいのになあ」と笑わせながら、こう振り返った。

「ギャビンがいないから負けたと言われるのは絶対に嫌。遠藤もナベもきっと、誠司(鵤)がいないから負けたと言わせたくなかったと思う。僕たち3人には経験がある。緊急事態にも焦らずにプレーできた」

渡邉も重ねた。

「昨年12月、ケガで1人2人欠いたときにエナジーを出せずにカバーできなかった。同じことを繰り返したら成長はない。今日の勝利は、シーズン終盤に日本一を決める状況になった時の支えになる」

日本一奪回に向けてまた1つ、チームとしての成長を感じさせる、劇的勝利だった。【沢田啓太郎】

佐々宜央(さっさ・のりお)ヘッドコーチの話

秋田戦はチームとしての強度を欠いたので、今日は絶対に勝とうという気持ちが出ていた。スターターを2人欠いた状態のなかで、ナベ、遠藤がリーダーシップを取ってくれた。それが大きかった。公輔も含めて、本人たちはもっと試合に出たいと思っていただろうけど、チームが勝つために我慢してくれていたと思う。日替わりでヒーローが出てくる状況をつくりたいと思っている。