札幌山の手が選手権で5回、選抜大会で5回と、計10度の全国優勝を誇る八王子実践を逆転で破る金星を挙げ、2回戦に進出した。

第3セット24-22のマッチポイント。吉田芽(2年)が中央から左に上げたトスを、小松田凪紗(なぎさ、3年)が左手1本で押し込むと、コートの選手もベンチの選手も、スタンドの応援も、一斉に飛び上がった。勝負どころの第3セット中盤では、自らのサーブからの流れで7連続ポイント。朝練で毎日100本のサーブ練習を繰り返した成果が、最高の舞台で出た。小松田は「自分の今持っている最大の力を出せた」と胸を張った。

伝統校の強いスパイクやサーブには、160センチと小柄なリベロ西川倫呂(こころ、3年)が対応。鋭角に落ちてくるボールに転がるように飛び込み、前線のアタッカーにつないだ。「スタートが悪くて戸惑いもありましたが、1本(レシーブが)決まるとすごい、もう、うれしくて。明日は最初からいいパフォーマンスができるように頑張ります」と、表情を緩めた。

就任20年目の渡辺徹監督(59)は「サーブとレシーブがうち(札幌山の手)の方が若干良かった。西川は誰よりもバレーが大好きな子。今日もどこまでもボールを追っていってましたね。守りの要として、(チームに)勇気を与えていたんじゃないか」と、番狂わせのヒロインを優しい顔でほめた。

5日の2回戦では富山第一と対戦する。黒田百花主将(3年)は「抽選の時には、八王子実践と聞いて誰もが知っている学校でプレッシャーというか、怖いっていう部分もあった。でも勝てて、みんなが喜んでくれてうれしい。北海道でたくさん応援している人もいるので、次もみんなの気持ちに応えたい」と黒田百花主将(3年)。名門を下した勢いをそのままに、札幌山の手が、(たつ)年にふさわしい、昇り龍になる。【中島洋尚】