インターハイ(全国高校総体)3位の福井工大福井が、男女通じて県勢初の決勝進出を決めた。準決勝で2年連続準優勝の名門、鎮西(熊本)と対戦。3-0のストレートで破り、初優勝へ王手をかけた。
昨年の準々決勝でフルセットで破れ、センターコート出場を阻まれたライバルに雪辱しても、キャプテン堤凰惺(おうせ、3年)の顔は引き締まっていた。「勝ったことは本当にうれしいんですけど、自分たちが目指しているところは日本一なので喜べない」。試合後はすぐに、初対戦となる強敵、駿台学園との決勝戦へ目線は向いていた。
前日6日、先輩たちが成し遂げられなかったベスト8の壁を越えた。この日、まだ見ぬ景色へメンバーに緊張はあったが、堤は「思い切りやって、自分に(ボールを)持ってくればいいよ」と鼓舞。主軸の声掛けに、チームメートが奮起した。
第1セット(S)は、2年生オポジット山本快が得点を量産すれば、第2Sは勝負どころで丸山英祐(3年)が2連続ブロックを決めて逆転に導いた。追いかける展開となった第3Sも森本泰地(2年)が、ブロックで流れを寸断。出場したメンバーがことごとく見せ場を作り、全員でストレート勝ちを引き寄せた。
今回は、絶対に負けたくない。エース堤は、その気持ちをボールに乗せた。昨年の準々決勝で苦杯をなめた、鎮西・井坂とのエース対決でリベンジを果たし、「去年(の準々決勝)は自分のミスで負けてしまった。負けたくないという気持ちで、井坂太郎に立ち向かいました」と拳を握った。
「凰惺」という名には「貴重な存在になってほしい」との想いが込められている。血液の持病を持ち、「子供は1人しか産めない」と言われていた母に名づけられた。幸いなことに「結局3人産んだんですけど(笑い)」という母は、この日も応援に駆けつけてくれた。名前通りの貴重な存在には? 「わからないですけど、それに近づいてきてるのかな?」と、白い歯を見せた。
初優勝へ-。唯一無二のエースが、県勢の夢をかなえる。【勝部晃多】


