男子はインターハイ3位の福井工大福井が、男女通じて県勢初の決勝進出を決めた。2年連続準優勝の鎮西(熊本)を3-0のストレートで撃破。昨年の準々決勝で敗れたリベンジを果たし、初優勝へ王手をかけた。

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県勢の歴史を塗り替えても、福井工大福井のキャプテン堤凰惺(おうせ、3年)は表情を崩さなかった。「勝ったのは本当にうれしいんですけど、自分たちが目指しているのは日本一。まだ喜べない」。昨年の準々決勝で敗れた難敵に雪辱した直後。その目線はすでに、駿台学園との決勝戦へ一直線に向いていた。

この日も一戦必勝の思いだった。6日の準々決勝で清風(大阪)に快勝。福井県の先人たちが越えられなかった8強の壁を打ち破った。しかしチームには、手応えと同時に過度の緊張感が漂った。堤は「思い切りやって、自分に(ボールを)上げてくれればいい」と先頭で鼓舞。落ち着きを取り戻した仲間たちとともに、全員バレーをぶつけた。

サーブレシーブ成功率は相手を15%上回る67・9%をマーク。ブロックでは脅威の13得点を挙げた。粘りの守備からリズムを作り、堤はチームトップの14得点。鎮西・井坂とのエース対決も制し「去年は自分のミスで負けた。今年は絶対に負けたくないという気持ちで、井坂太郎に立ち向かいました」と拳を握った。

「凰惺」という名前には「貴重な存在になってほしい」との思いが込められている。血液の持病を持ち「子供は1人しか産めない」といわれていた母に名付けられた。幸いなことに「結局3人産んだんですけど(笑い)」という母は、この日もスタンドから見守ってくれた。名前通りの男になれているかは、まだ分からない。それでも「近づいてきてるのかな」とうなずいた。唯一無二のエースになるために県勢の悲願、頂点に立ってみせる。【勝部晃多】

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