フィギュアスケート女子の坂本花織(26=シスメックス)が13日、地元の神戸市内で現役引退会見を開き、引退後に食べたかった特別な味について語った。
現役時代から「やりたいことをやって、食べたいものを食べてきた方」と説明。「特にこれをしたい、あれをしたいというのはあんまりない」としながらも、「しいて言えば…」と切り出した。
「『引退して何が食べたい?』と言われて、お母さんの作ったコロッケが食べたいと言った」と明かした。すると母親は、その言葉を覚えていてくれたといい「世界選手権前に練習をしてくれていたみたいで。久しぶりにつくるので」と笑顔。「家に送り届ける時に『これコロッケ』と渡してくれて、その日中に食べていました」とうれしそうに振り返った。6年間の1人暮らしでは「特別、お母さんからもらう機会がなかったので」といい、久々の母の味をかみしめていた。
坂本は日本のエースとして長くけん引。日本女子では初めて3大会連続でオリンピック(五輪)に出場した。2月のミラノ・コルティナ大会では個人、団体でともに銀メダルを獲得。北京大会での団体銀、個人銅を含めて計4個のメダルは、日本フィギュア界では男子の鍵山優真と並んで最多タイとなった。
全日本選手権では女子5人目となる5連覇(21~25年)を達成。初優勝した18年を含めて6度の優勝を収めた。世界選手権では22年から3連覇。現役最終戦となった今年3月の同大会では、自己ベスト(合計238・28点)の演技で日本人単独最多となる4度目の優勝を果たした。
明るく気さくな人柄でも、スケーターやファンから愛された。今後は4歳から二人三脚で歩んできた中野園子コーチ(73)のもと、指導者として第二の人生を歩み始める。
◆坂本花織(さかもと・かおり)2000年(平12)4月9日、兵庫県神戸市生まれ。03年度後期のNHK連続テレビ小説「てるてる家族」に影響を受け、4歳でスケート開始。17年世界ジュニア選手権3位でシニア転向。1季目から18年平昌五輪代表2枠入りし、個人6位。22年北京五輪で団体銀、個人銅メダル。26年ミラノ・コルティナ五輪で個人、団体ともに銀。世界選手権は日本人単独最多4度の優勝。全日本選手権は18年、21~25年の優勝6度。ミラノ五輪の日本選手団旗手代行。159センチ。血液型B。


