陸上競技部員が大麻問題で退学処分になった日体大が、来年1月の箱根駅伝のシード権をはく奪される見通しになった。同駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟の青葉昌幸会長(66)が12日、厳罰を科す方針を示した。既に日体大は4月末までの公式戦出場自粛を決めているが、9月いっぱいまで出場禁止の処分が下される見込み。出雲駅伝(10月)全日本大学駅伝(11月)も出場停止が濃厚になった。13日に予定する同連盟の駅伝対策委員会で結論が出る。

 日体大の活動自粛について、青葉会長は報道を通じて知った。「のんきな内容で、びっくりした。考えられません」。処分の甘さに納得できない様子だった。

 6日付で関係大学に示した日体大の謝罪文では、4月末まで全部員の公式戦出場禁止、大学周辺の清掃活動、当事者だった棒高跳びと3段跳び選手の合宿所の早期廃止など。関東学連では「1年活動停止」の声も挙がっていたほどで、日体大には事前に厳罰を促していたという。

 関東学連は13日に駅伝対策委員会を開き、処分を検討の上、正式発表する。青葉会長によると、出場停止は9月末までの6カ月間になり、次回の箱根駅伝のシード権ははく奪される。日体大は今年の箱根駅伝で3位に入り、10位までに与えられるシード権を2年ぶりに獲得した。処分が確定すれば、10月の予選会(立川)から再挑戦しなければならなくなる。

 同時に、3大駅伝のうち、残る2つの出雲駅伝と全日本大学駅伝は出場できない。箱根駅伝3位の結果で得られるはずの関東学連からの推薦は、取り消される。出場停止期間中に予定する5月の関東学生対校(インカレ)、7月のユニバーシアードなどへの道も閉ざされることになる。

 「ルールやマナーを守らないと、スポーツが文化として評価されない」と青葉会長。棒高跳びや3段跳びの選手による不祥事だが、世間の注目を浴びやすい駅伝にまで波及する可能性が高くなった。