4連覇を目指す天理大が68-0で大体大を下し、白星発進した。

2日前にOBのプロップ木津悠輔(23=トヨタ自動車)がワールドカップ(W杯)日本代表に選出され、背番号3を引き継ぐ小鍛治悠太(3年)を中心に自慢のスクラムで圧倒した。

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天理大の新しい伝統が、大体大FWのお株を奪った。試合開始直後に訪れたセンタースクラム。均衡した状態からグッと押し込むと、主導権は自然とやってきた。前半8分にはフランカー岡山仙治主将(4年)がラック際を突いて先制トライ。小松監督は「自分たちでバタバタしている。まだまだ」と厳しく評価したが、計10トライで圧倒した。

前主将のフッカー島根一磨(パナソニック)ら、全国大学選手権準優勝の主力が引退。FW第1列の顔ぶれも変わったが、右プロップの小鍛治は「去年よりパワフル」とスクラムに自信を持つ。5年ほど前まで劣勢だった大体大相手でも、FW陣の地力が際立った。

29日には日本代表プロップ木津がW杯の切符をつかみ、3学年下の小鍛治は「ずっと憧れてきた。少し前まで一緒にやっていたのに、不思議な感じ」と喜んだ。世界と戦う先輩の背中を追い、スクラムを日本一への武器とする。【松本航】