今季限りで大西健監督(69)が退任する昨季リーグ3位京産大が、初戦でつまずいた。同4位関学大に対して、持ち味のFW戦で優位に立てず、後手に回った。17-28の黒星だ。

指揮を執って47年目のシーズン初戦。大西監督の表情はさえなかった。「キャプテンがケガをして、ペースを落とし、夏もそれを引きずって日体大、中央大に負けて…。非常に不安ではあった。セットプレーで攻められず、FW勝負が出来なくては…」。ロック伊藤鐘平主将(4年=札幌山の手)が6月に脚を負傷。復帰はW杯中断明けの11月4日、リーグ4戦目摂南大戦になる見込みだ。

その影響もあったのか。ラインアウトでボールをキープ出来ない。スクラムでコラプシング(膝を着く反則)を犯す。1トライ差を追う後半31分にはゴール前に攻め込まれ、プロップ平野叶翔(2年=西陵)がペナルティーを犯す。PGを決められて8点差。平野がシンビンの10分間退場で、14人対15人の数的不利に追い込まれた。とどめを刺された。

日本代表キャップ79の元木由記雄ヘッドコーチ(47)は厳しかった。敗戦に沈む選手を「負けるにしても納得のいく負け方をしろ。本気にならなあかん。先輩方が築いた伝統をつぶす気か?」と叱咤(しった)。「主将がおらんのはだいぶ前にわかってたこと。熱量がない。執念が見えない。つらい。こんな試合、あまり見たことがない」-。次戦は7日の大体大戦。立て直すまで、待ってはくれない。