<水泳世界選手権:競泳>◇7月31日◇イタリア・ローマ

 男子200メートル背泳ぎ決勝、入江陵介(19=近大)が1分52秒51の日本新記録をマーク、優勝は逃したが銀メダルを獲得した。

 想像を絶する世界新記録の前に、入江の金メダルは夢と消えた。150メートルのターンで3番手だった入江は、ラストスパートで猛然と追い上げた。ロクテをかわして置き去りにし、快調に飛ばしていたピアソルも、残り50メートルで体ひとつ許していたリードを、体半分にまで縮めた。だがその時点でゴールだった。入江は自身の幻の世界記録を上回る、世界歴代2位の好タイムをマークしたが、ピアソルに及ばなかった。「自己ベストが出てうれしいけど、やっぱり1枚上手がいた。センターポールに日の丸を掲げて、表彰台の1番高いところから見たかった。ただメダルを取れてホッとしている」と、悔しさと安堵(あんど)感が入り交じる、複雑な心境を明かした。