大相撲の元横綱、貴乃花親方(37)が所属する二所ノ関一門を離脱し、初場所後に行われる日本相撲協会の理事選に無所属で立候補することが8日、決まった。同一門はこの日、東京・両国国技館での会合で立候補者の選定をしたが、調整がつかなかった。関係者によると、支持勢力が一門を離れる可能性もある。

 角界の一門は相撲部屋を系統別に5つに分けたグループ。協会の理事(定員10人)は各一門の利益代表の性格を持ち、一門内で候補者を調整するのが慣例となっている。一門に頼らない手法は極めて異例で、貴乃花親方は「立候補させていただく、という話をした。一門を出るということ。説得されたが(立候補を)やめることはない」と話した。

 二所ノ関一門は現在3人の理事を出しているが、今回は貴乃花親方に加え、現職の二所ノ関親方(元関脇金剛)と放駒親方(元大関魁傑)、新理事を目指す鳴戸親方(元横綱隆の里)の計4人が立候補を表明していた。

 このなかで最も若く、角界改革に前向きな貴乃花親方は、広く中堅、若手の親方から支持されている。二所ノ関一門内では、阿武松(おうのまつ)親方(元関脇益荒雄)や大嶽(おおたけ)親方(元関脇貴闘力)が“貴乃花支持派”だ。

 理事選に絡む一門の問題では、1998年1月に、高砂一門の意向を無視して立候補した前高田川親方(元大関前の山、現千田川親方)が一門を破門されたが、理事に当選した例がある。